お悔やみ電報は縦書き？横書き？マナーと文例を完全解説

突然の訃報に接し、お悔やみの気持ちをどのように伝えればよいか、戸惑うことも少なくありません。

特に、葬儀に参列できない場合、お悔やみ電報を送ることを検討される方は多いでしょう。

その際に多くの方が悩むのが、お悔やみ 電報 縦書き 横書き のどちらを選ぶべきかという点です。

伝統的な形式である縦書きを選ぶべきか、現代的で読みやすい横書きでも失礼にはあたらないのか、迷うのは当然のことだと思います。

この記事では、そうした疑問を解消し、故人への弔意を心から伝えるための、お悔やみ電報に関するあらゆる知識を網羅的に解説していきます。

電報の基本的なマナーから、正しい敬称の使い方、連名で送る際や会社名義で手配する場合の注意点、さらには差出人や宛名の具体的な書き方まで、詳しくご説明します。

また、NTTなどの電報サービスを利用する際の手順や、宗教・宗派による言葉選びの違い、特にキリスト教の場合の配慮についても触れていきます。

様々な状況に応じた文例も豊富に紹介し、電報にかかる金額の目安についても解説するため、いざという時に慌てず、心のこもった電報を送る手助けとなるでしょう。

この記事を最後まで読めば、お悔やみ電報に関するあらゆる不安が解消され、自信を持って手配できるようになるはずです。

お悔やみ 電報 縦書き 横書きの基本マナーと選び方

まず押さえるべき電報の基本マナー

お悔やみ電報を送る際には、まず基本的なマナーを理解しておくことが大切です。

故人やご遺族に対して失礼のないよう、心を込めて手配するためのポイントを解説いたします。

縦書きと横書きの選び方

まず、多くの方が悩む「お悔やみ 電報 縦書き 横書き」の選択についてです。

結論から言うと、現在ではどちらの形式を選んでもマナー違反にはあたりません。

しかし、それぞれの形式が与える印象には違いがあるため、状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。

縦書きは、日本の伝統的な書式であり、より丁寧で格式高い印象を与えます。

目上の方や、伝統を重んじるご家庭に送る場合には、縦書きを選ぶとより心のこもった弔意が伝わりやすいと考えられます。

一方で、横書きは現代的で読みやすく、ウェブからの申し込みサービスなどでは標準となっていることが多いです。

親しい友人や、横書きの文章に慣れている世代の方へ送る場合は、横書きでも全く問題ありません。

デザイン性の高い台紙には横書きが合うことも多いため、選ぶ台紙とのバランスを考えて決めるのも一つの方法です。

送るタイミング

お悔やみ電報は、通夜や告別式に間に合うように送るのが基本です。

訃報を受けたら、できるだけ早く手配を始めましょう。

理想的なのは、通夜の前までに届くように手配することです。

告別式で読み上げられることを考慮し、式の開始時刻までに斎場に到着するよう手配するのがマナーとなっています。

もし、通夜や告別式に間に合わない場合は、後日ご自宅宛てに送ることも可能ですが、その場合は弔電ではなく、お悔やみの手紙を送る方がより丁寧です。

忌み言葉を避ける

お悔やみの言葉を伝える際には、「忌み言葉（いみことば）」の使用を避けるのが鉄則です。

忌み言葉にはいくつかの種類があります。

これらの言葉を使わずに、故人を悼む気持ちとご遺族をいたわる気持ちを表現することが求められます。

宛名や差出人の書き方で注意すべき点

電報を確実に届けるためには、宛名と差出人の情報を正しく記載することが非常に重要です。

少しの間違いが、ご遺族に余計な手間をかけてしまう可能性もあるため、細心の注意を払いましょう。

宛名の書き方

電報の宛名は、喪主（もしゅ）様のお名前で送るのが最も一般的です。

喪主様が不明な場合は、「（故人様のお名前）様 ご遺族様」という形で記載します。

フルネームが分かっていれば、フルネームで記載するのが望ましいでしょう。

敬称は「様」を使用します。

お届け先の住所

お届け先は、通夜や告別式が行われる葬儀斎場やセレモニーホールの住所を記載します。

自宅で葬儀を行う場合は、ご自宅の住所です。

斎場宛てに送る際は、斎場の名前だけでなく、気付（きつけ）として喪家（そうけ）名、つまり「〇〇（喪主名）様方」または「〇〇（故人名）家」と書き添えると、斎場側で誰宛ての電報かが分かりやすくなります。

例：東京都〇〇区〇〇 1-2-3 〇〇セレモニーホール気付 〇〇家様

差出人の書き方

差出人の情報は、ご遺族が誰からの電報かをすぐに把握できるように、分かりやすく記載することが大切です。

差出人には、以下の情報を含めましょう。

これらの情報を正確に記載することで、ご遺族への配慮を示すことができます。

連名で送る場合の正しい記載方法

会社や部署の同僚、学生時代の友人など、複数人で連名の電報を送るケースも多くあります。

連名で送る際には、誰から送られたのかが明確に分かるように記載することが重要です。

連名者の記載順

複数人の名前を記載する場合、地位や年齢が高い人から順に右から（縦書きの場合）または左から（横書きの場合）書くのが一般的です。

役職や年齢に関係ない友人同士などの場合は、五十音順にすると良いでしょう。

人数が多い場合の記載方法

連名者が4名以上になる場合は、全員の名前を記載すると読みにくくなるため、代表者の名前の横に「外一同（他一同）」と書き添えるのがスマートです。

例えば、会社の部署から送る場合は「〇〇株式会社 〇〇部一同」、友人グループから送る場合は「〇〇大学 友人一同」のようにグループ名でまとめる方法が一般的です。

この場合、電報とは別に、全員の名前と住所を記載したリストを郵送するか、代表者が香典を持参する際に渡すと、ご遺族がお礼をする際に困りません。

夫婦で送る場合

夫婦連名で送る場合は、夫の氏名をフルネームで書き、その左（縦書き）または隣（横書き）に妻の名前（名のみ）を記載します。

妻側の関係者へ送る場合は、妻の氏名をフルネームで書き、夫の名前を添える形でも問題ありません。

立場に合わせた敬称の選び方

電報の文面では、故人に対して敬称を用います。

故人と喪主の関係性によって使うべき敬称が異なるため、正しく選ぶことがマナーです。

ここでは、代表的な敬称を一覧でご紹介します。

この表を参考に、適切な敬称を選んでください。

喪主から見た故人	敬称
父	ご尊父（そんぷ）様、お父様
母	ご母堂（ぼどう）様、お母様
夫	ご主人様、ご夫君（ふくん）様
妻	ご令室（れいしつ）様、奥様
息子	ご子息（しそく）様、ご令息（れいそく）様
娘	ご令嬢（れいじょう）様、ご息女（そくじょ）様
祖父	ご祖父（そふ）様、御祖父（おじい）様
祖母	ご祖母（そぼ）様、御祖母（おばあ）様
兄弟	ご令兄（れいけい）様、ご令弟（れいてい）様
姉妹	ご令姉（れいし）様、ご令妹（れいまい）様

もし故人と喪主の関係が分からない場合は、「〇〇（故人名）様」と故人のお名前をそのまま記載しても失礼にはあたりません。

無理に推測して間違った敬称を使うよりも、確実な情報で記載する方が賢明です。

これらの敬称を正しく使うことで、ご遺族への深い弔意と敬意を示すことができます。

会社として送る際のポイント

会社としてお悔やみ電報を送る場合、個人で送る時とは異なるいくつかのポイントがあります。

会社の代表として送るという意識を持ち、よりフォーマルな対応を心がける必要があります。

差出人名の記載方法

会社名義で送る場合、差出人の記載方法にはいくつかのパターンがあります。

どの名義で送るかは、社内の慶弔規定や慣例に従うのが一般的です。

不明な場合は、総務部や上司に確認すると良いでしょう。

文面の内容

会社として送る電報の文面は、私的な内容になりすぎず、丁寧で簡潔な言葉を選ぶのが基本です。

故人が自社の社員だった場合は、生前の功績をたたえる言葉を入れると良いでしょう。

取引先の方へ送る場合は、「生前のご厚情に深く感謝申し上げます」といった一文を加えると、丁寧な印象になります。

会社の代表として送る電報は、会社の顔でもあるということを忘れずに、品格のある文面を心がけることが重要です。

NTTの申し込み方法と特徴

お悔やみ電報を送るサービスはいくつかありますが、最も広く知られているのがNTTの電報サービス「D-MAIL」です。

ここでは、NTTの電報サービスを例に、申し込み方法と特徴を解説します。

申し込み方法

NTTの電報は、主に以下の2つの方法で申し込むことができます。

D-MAILの特徴

D-MAILには、弔電を送る際に便利な特徴がいくつかあります。

まず、台紙の種類が非常に豊富です。

伝統的な紫や紺を基調としたシンプルなデザインから、押し花や刺繍が施された美しいデザイン、漆塗りや布張りの高級感ある台紙まで、予算や送る相手に合わせて選ぶことができます。

また、電報と一緒にお線香やプリザーブドフラワー、カタログギフトなどを送れるオプションサービスも充実しています。

弔意をより深く伝えたい場合に、こうしたオプションを検討するのも良いでしょう。

料金は、メッセージの文字数に応じた料金と、選んだ台紙やオプションの料金の合計で決まります。

ウェブサイト上で、文字数や台紙を入力すると自動的に料金が計算されるため、予算に合わせて調整しやすいのも利点です。

配達時間も細かく指定でき、午後2時までの申し込みで全国即日配達に対応しているため、急な訃報にも迅速に対応できます。

状況に応じたお悔やみ 電報 縦書き 横書きの文例と注意点

宗教・宗派による言葉の違いとキリスト教への配慮

お悔やみの気持ちを伝える際には、相手の宗教や宗派に配慮した言葉選びが不可欠です。

特に、日本で一般的な仏式の表現を、キリスト教や神式の葬儀で使うことはマナー違反とされています。

ここでは、宗教ごとの言葉の違いと、特に注意が必要なキリスト教への配慮について詳しく解説します。

仏式で使われる言葉と避けるべき宗派

仏教では、故人が仏の世界へ旅立つという死生観に基づいた言葉が使われます。

代表的な言葉には以下のようなものがあります。

これらの言葉は、キリスト教や神式の葬儀では絶対に使用してはいけません。

また、同じ仏教の中でも、浄土真宗では「霊はすぐに極楽浄土へ行く」という教えから、「冥福を祈る」という概念がないため、「ご冥福」の使用は避けるのが望ましいとされています。「哀悼の意を表します」などの表現を使うのが無難です。

キリスト教の場合の表現

キリスト教では、死は神のもとへ召される喜ばしいこと、または永遠の安息への入り口と捉えられています。

そのため、仏教のような「お悔やみ」の表現は用いません。

故人の安らかな眠りを祈る言葉や、ご遺族を慰める言葉が中心となります。

以下にキリスト教で使える表現の例を挙げます。

カトリックとプロテスタントの違い

キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあり、厳密には故人への祈りの言葉が異なります。

カトリックでは「神の御許で安らかに憩われますよう、心よりお祈り申し上げます」のように、故人の安息を神に祈る表現が使われます。

プロテスタントでは「神様の慰めと平安が、ご遺族の皆様の上に豊かにありますようお祈りいたします」のように、主に遺された家族への慰めに焦点が当てられます。

宗派が不明な場合は、「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」や「お知らせをいただき、大変驚いております。ご家族の皆様の上に、神様からの慰めがありますよう心よりお祈りいたします」といった、どちらにも使える表現を選ぶと安心です。

神式の場合の表現

神道では、故人は家の守り神になると考えられています。

そのため、仏教用語やキリスト教の表現は使わず、神道独自の言葉を用います。

「御霊（みたま）のご平安をお祈り申し上げます」や「安らかにご永眠されますようお祈りいたします」といった表現が一般的です。

また、故人の死を「帰幽（きゆう）」と表現することもあります。

宗教が不明な場合は、「この度はご愁傷様です」「心より哀悼の意を表します」といった、どの宗教でも使える言葉を選ぶのが最も安全な対応と言えるでしょう。

関係性で使い分ける心の伝わる文例集

電報の文面は、故人やご遺族との関係性によって内容を変えることで、より一層心のこもったものになります。

ここでは、様々な関係性に応じた文例をいくつかご紹介します。

これらを参考に、ご自身の言葉でアレンジしてみてください。お悔やみ 電報 縦書き 横書き どちらの形式でも利用できます。

友人のご家族（親など）へ

ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。

お力落としのことと存じますが、どうかご無理なさらないでください。

本来であればすぐにでも駆けつけたいところですが、やむを得ぬ事情により参列できず、申し訳ありません。

心ばかりですが、ご香典を同封いたしましたので、御霊前にお供えいただければと存じます。

ご尊父様の安らかなお眠りを心よりお祈りいたします。

会社の上司・同僚・部下へ

〇〇（役職名）様の突然の訃報に接し、言葉を失っております。

いつもエネルギッシュで、私たちを導いてくださった〇〇様のお姿が目に浮かびます。

ご生前の多大なるご指導に、心より感謝申し上げます。

ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかとお察しいたしますが、どうぞご自愛ください。

謹んで哀悼の意を表します。

取引先の方へ

貴社〇〇様のご逝去の報に接し、社員一同、謹んでお悔やみ申し上げます。

ご生前中は、公私にわたり大変お世話になりました。そのご厚情に深く感謝いたします。

ご遺族の皆様並びに社員ご一同様に、心よりお悔やみ申し上げますとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。

恩師へ

〇〇先生の突然の訃報に、ただただ驚いております。

先生には、学生時代に大変お世話になりました。

先生の厳しくも温かいご指導があったからこそ、今の私があると感謝しております。

先生の教えを胸に、これからも精進してまいります。

安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。

電報にかかる金額の目安

お悔やみ電報を送る際に、気になるのが料金です。

電報の料金は、主に「メッセージ料金」と「台紙料金」、そして「オプション料金」の3つの要素で構成されています。

メッセージ料金

メッセージ料金は、文字数によって決まります。

多くの電報サービスでは、最初の〇文字までが基本料金に含まれており、それを超えると追加料金が発生する仕組みになっています。

例えばNTTのD-MAILの場合、ウェブから申し込むと、25文字まで660円（税込）で、以降5文字ごとに99円（税込）が加算されます。

伝えたい内容と予算のバランスを考えて、メッセージの長さを調整すると良いでしょう。

台紙料金

台紙は、無料のものから数千円、中には一万円を超える豪華なものまで様々です。

シンプルなものであれば追加料金なし、あるいは数百円程度から選べます。

押し花や刺繍が施されたもの、漆塗りや布張りといった高級な台紙は、3,000円から10,000円程度が相場です。

故人との関係性や弔意の深さに応じて選びますが、一般的には1,000円から5,000円程度の台紙がよく利用されています。

オプション料金

電報と一緒に品物を送る場合、その品物の代金がオプション料金として加算されます。

よく利用されるオプションには、以下のようなものがあります。

これらのオプションを付けると、総額は高くなりますが、より心のこもったお悔やみの気持ちを表現することができます。

総合すると、一般的なお悔やみ電報の相場は、2,000円から8,000円程度と言えるでしょう。

供花も贈る際の選択肢

弔意を示す方法は、電報だけではありません。

葬儀に参列できない場合、電報に加えて、または電報の代わりに供花（きょうか・くげ）を贈ることも、非常に丁寧な弔意の表し方です。

供花を贈る意味

供花は、故人の霊を慰め、祭壇を美しく飾るという意味合いがあります。

白い花を基調としたアレンジメントが一般的で、菊やユリ、カーネーションなどがよく用いられます。

供花を贈る際は、葬儀社や斎場に連絡し、統一感を損なわないように手配するのがマナーです。

また、ご遺族によっては供花を辞退されるケースもあるため、事前に意向を確認するのが望ましいでしょう。

お悔やみの贈り物としての胡蝶蘭

供花の中でも、近年特に選ばれることが多くなっているのが胡蝶蘭です。

胡蝶蘭はお祝いのイメージが強いかもしれませんが、その品格ある佇まいと花言葉から、お悔やみの場にもふさわしい花とされています。

白の胡蝶蘭の花言葉は「清純」であり、故人への清らかな追悼の意を示すのに最適です。

また、他の花に比べて花粉や香りが少ないため、アレルギーの心配がある方や、花の香りが集まる斎場でも安心して贈ることができます。

さらに、胡蝶蘭は生命力が強く、花持ちが良いことでも知られています。

葬儀後もご遺族のご自宅で長く咲き続けるため、故人を偲ぶ時間を長く分かち合うことができます。

水やりの手間も少ないため、悲しみの中で忙しいご遺族に負担をかけることもありません。

こうした理由から、上品で心遣いのこもった贈り物として、お悔やみの胡蝶蘭は高く評価されています。

通販サイトで手配するメリット

胡蝶蘭は、専門の通販サイトを利用すると手軽に手配できます。

例えば、「HanaMaro」や「洋蘭の美翔」、「胡蝶蘭オンライン」といった専門店では、高品質な胡蝶蘭を産地から直送してくれます。

通販サイトでは、予算やサイズに応じて様々な種類の胡蝶蘭を選べるほか、お悔やみ用のラッピングや立札も無料で付けてくれるサービスが充実しています。

急な訃報でも、当日配送や翌日配送に対応しているサイトが多いため、迅速に弔意を届けたい場合に非常に便利です。

総まとめ：お悔やみ 電報 縦書き 横書きで弔意を伝える

これまで、お悔やみ電報に関する様々なマナーや文例について解説してきました。

お悔やみ 電報 縦書き 横書きのどちらを選ぶかという最初の疑問から、具体的な書き方、宗教への配慮、そして供花という選択肢まで、ご理解いただけたことと思います。

最も大切なことは、形式やルールを守ること以上に、故人を悼み、ご遺族を思いやる心です。

この記事で得た知識を基に、あなた自身の言葉で、心からの弔意を伝えてください。

突然の別れは誰にとっても辛いものですが、あなたの温かい言葉が、ご遺族にとって大きな慰めとなることは間違いありません。

最後に、この記事の要点をまとめます。